北岸通りの骨董屋           シルヴィア・ウォー 著  こだまともこ 訳


Mennyms Alone メニム一家の物語、と副題がついています。
途中まで気付かなかった私もまぬけですが、「メニム一家」はシリーズになっていまして、本書は第4巻になります。
読みながら、どうも「既にあったこと」として暗黙の了解のうちにストーリーが進んでいくので、もどかしく思うことはありましたが、前作までを全く知らない私でも面白く読めました。


ブロックルハースト・グローブ5番地に住むメニム一家は、布の人形の一家。
この家の前の主だったケイト・ペンショウによって作られ、どういうわけか命を得たのです。
これはメニムたち自身、はっきりしたことはわかっていないようでした。
ケイト・ペンショウの霊がかかわっている、ということのほかは。

あるとき、おじいさんのマグナス卿がメニムの終わりを予感するところから物語りははじまります。
スービーの他はあまりまともに信じようとせず、これまでどおりに「ふり」や「ごっこ」で毎日が過ぎていきました。
一方、以前メニムたちと一緒に暮らしたことがありながら、記憶を消されたアルバートは、教え子であるローナと結婚していました。
そしてローナの母ジェニファが、ブロックルハースト・グローブの屋敷の相続人となっていたのでした。
ジェニファは、ローナたちの勧めにしたがい、マグナス卿に出生証明書を送るように要求します。
というのも、メニムたちが住んでいるうちは相続できない、という約束になっていたものの、すでにかなりの年数がたっているのにどうなっているのだろうか、という疑問をもってしまったからです

そんなときに、マグナス卿は自分達に残された時間はあと1年だという予言をうけて・・・。
そこから、メニム一家の終末へ向けての精一杯の準備しようとしている姿が、なんとも切なかったです。


印象に残ったのは、チューリップおばあちゃんの驚くべき財テク(笑)
すべて電話や手紙で、後々のことまで考えた策には、ほんとうに驚かされました。
ぜひ、さかのぼってシリーズの1から順に、改めて読んでみたいと思いました。

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