陰陽師 おんみょうじ  飛天ノ巻        夢枕  獏  著


いわずと知れた平安時代の陰陽師、「安倍清明」の話です。
シリーズの2巻目になる本書ですが、短篇が収められていて、読む順番にはそれほど縛られていません。
どこから読んでも、この幽玄の世界を楽しむ事ができると思います。

主な登場人物は 安倍清明と源博雅。
博雅のほうは、従三位に叙された殿上人で、雅楽家。
  
魑魅魍魎・鬼のたぐいもものともせずに、ふたりは事件を解決していく。
もちろん、それもとっても面白いけど、何よりも私はこのふたりの友情とか、絆とか、人柄とかに強く惹かれます。
映画化TVドラマ化もされていますが、私は 映画の万斎さんのイメージがとても強くて、イメージを重ね合わせつつ物語を読んでいました。


 博雅が振り返ると、屋敷の濡れ縁に白い狩衣姿の清明が胡座をかいて座していた。
 右肘を右膝の上に置き、右腕を立て、その手の中に顎を乗せ、清明は笑いながら博雅を眺めていた。


映画での万斎さんそのもの・・・だと思います。
そして、ふたり静かに酒を飲みながら語り合う場面なども、いい。
季節の移ろいを、草花のはかなさを、風の匂いを感じ、それを語る文章がとても美しくて好きです。
人間の心の奥深さ、哀しさを感じさせてくれる作品だと思います。


  収録作品    「天邪鬼」
            「下衆法師」
            「陀羅尼仙」
            「露と答えて」
            「鬼小町」
            「桃園の柱の穴より児の手の人を招くこと」
            「源博雅堀川橋にて妖しの女と出逢うこと」  


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