陰陽師 おんみょうじ  鳳凰ノ巻        夢枕  獏  著



平安京屈指の陰陽師「安倍清明」のシリーズ4作目。
博雅が難題を拾ってきて、清明が飄々とこれを解決していく、というのは相変わらずです。
この巻ではさらに、葦屋道満がそれに1枚噛んできます。
この道満という男、清明に対して挑戦してくるかと思えば、妙に協力的だったりして、不思議な関係に思えました。単純な敵対関係とはいえないような・・・。


 「博雅よ、泰山府君といえども、所詮はただの力なのだ。その眼に見えぬ力が、人の寿命や生命の長さを決め ているということでは、泰山府君は、まさしくおられるのさ」
 「その力を祭って、泰山府君と呼んだその時から、その力は泰山府君なのだ」

 「だから、おまえが、泰山府君としてそう見たいものとなって、それはそこに現れるのだ」
 「おれには、ちょっとお前に似たような白い水干を着た、美しい若い男のように見えたが、お前にはどう見えたのだ
しかし、清明は、博雅のその問いには答えなかった。

博雅は、清明がなんでもかんでも「呪」で説明しようとする、といって文句を言っていますが、ものの本質について語っているのかな、と感じました。
この巻の中では、好きな話です。


          収録作品  「泰山府君祭」
                  「青鬼の背中に乗りたる男の譚」
                  「月見草」
                  「漢神道士」
                  「手をひく人」
                  「髑髏譚」
                  「清明、道満と覆物の中身を占うこと」 


 
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