馬と少年　　ナルニア国物語５　　　　Ｃ．Ｓ．ルイス作　　瀬田貞二訳

偉大なライオン―アスランがつくったナルニア国。ピーター王のころ（人間界からきた４人の子供たちが、ナルニアを治めていたころ）のお話。

ものいう馬ブレ―とその友シャスタが、カロールメンという国から　広い砂漠を越えて逃れ、アーケン国とナルニアの人々に急を知らせます。
途中、知り合った雌馬フイン（もちろんものいう馬です）とカロールメンの貴族の娘アラビスと、困難を乗り越えるうちに、はじめは反発しあっていたふたりも　次第に相手を認め仲良くなっていきます。
シャスタは実は、「いつかほろびる間際のアーケン国を救う」と予言されたために、邪な者の手でさらわれて行方不明になっていたアーケン国の双子の片割れ、コル王子だったのです。

物語中のアスランの存在感がすごい。
姿はなくても、ナルニアのみんなのことをとても愛しているし、みんなもアスランを心から信じてる。
アスランのひとこと発した言葉を聞くだけで、体中に力が湧いてくる。
創生の神のようだけれど、もっと身近で、もっとあたたかく、厳しいけれど安心し心も体も癒される存在。
何かの書評で「アスランは理想の親像」である、というのを読んだ事がありますが、まさしくそうだと思いました。
実際には　こんな「完全な」親、というか人間は、なかなかいないだろうけれど。