魔法使いハウルと火の悪魔         
                     ダイアナ・ウィン・ジョーンズ著  西村醇子訳 



スタジオ・ジブリの次回作が「ハウルの動く城」ということで、とっても注目されているイギリスのファンタジーですが。
なかなか面白くて、一気に読んでしまいました。

魔法も魔法使いも本当に存在するインガリー国。
三人姉妹の長女に生まれたソフィーは、「長女は何をやってもうまくいかない」という昔話のパターンに自分を当てはめて、はじめから物事を諦めてしまっていました。
帽子屋を営んでいた父親が死んで、ソフィーが跡を継ぐため、見習として店に残りました。
妹達はそれぞれ、母親からパン屋、魔法使いの見習と奉公先に行く事を命じられました。
自分の将来をパッとしないもの、と決め込んでいるソフィーには反対する気もないようです。
ところがある日ソフィーは、「荒地の魔女」に呪いをかけられ、90歳の老婆に変身させられてしまいました。
家族を心配させたくないと家出したソフィーは、空中の城に住む、「魔法使いハウル」のもとへ転がり込みました。
悪名高いハウルには、「若い女性をとらえ、その魂をむさぼるのだ」とも、「心臓を喰らうのだ」ともいうウワサがつきまとい、冷酷で無慈悲な魔法使いだと言われていました。
けれど、「荒地の魔女」の呪いを解くことができるのは、本人の他には彼しかいません。
ソフィーはハウルに魔力を提供している「火の悪魔」とこっそり取引をして、そうじ婦として住み込むことに成功しました。
ハウルの城の中は奇妙なことだらけ。
扉の外が別世界とつながっていたり、窓にはずっと遠くにあるはずの景色が見えたり。
ハウル自身も「荒地の魔女」にねらわれていて、逃げ回っていたのでした。
やがて、ふたりは力をあわせて「魔女」と闘うことになって・・・・

はじめは、そういう「お話の設定」なんだな〜と思っていた、「長女」という認識が、単にソフィーの思い込みによるもので、別段そういう約束事があるわけではない、ということがわかるまでに少々時間がかかりました。
というか・・・解説を読むまで気付かなかった自分って・・・・かなり鈍いのか!?
ハウルとお城の「謎」がだんだんわかってくるにつれて、ハウルが自分の見かけにこだわる様子などもわかってきて、面白いと思いました。
「相手」役で、ここまでうぬぼれの強い登場人物って、あんまりいないのでは?
そしてまた、それを憎めない感じ・・・
あのお城が、どんな風にモチーフになるのか、宮崎アニメのほうも気になりますね。


  

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