聖戦ヴァンデ (上・下)        藤本 ひとみ 著


革命の嵐が吹き荒れるフランス。パリ バスチーユではじまった革命のあおりを受けて、ヴァンデ地方の農民達はついに武装蜂起するに至る。
それを率いたのは、青年貴族アンリ・ドゥ・ラ・ロシュジャクラン。
貴族としての誇りを捨てず、最後まで民衆を守るために闘い続けたアンリ。
一方、ヴァンデ軍を追い詰める共和国側の中心となったのは、革命を、そしてロペスピエールを狂信するジュリアン。このときジュリアンは若干19歳の若者だった・・・。
若さゆえの強硬さで 土地を焼き払い、相手を殺戮しつくさんとする共和国側の動きは、読んでいて背筋が寒くなりました。
そのジュリアンも、最後には信望するロペスピエールから切り捨てられてしまいます。
彼もまた、時代の波にのまれた犠牲者だったのかもしれません。

フランス革命と言えば、断頭台の露と消えた人々を中心に語られますが、周辺の農村部への恐ろしいまでの武力弾圧や大量虐殺の事実について知っている人は少ないのではないでしょうか。
かくいう私も、この作品を読んではじめて知りました。
知られざる歴史の暗部に焦点をあてた、力作だと思います。
友情と信念に生きた青年達のドラマは、歴史について詳しくなくとも 読む者を惹きつけてやみません。



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